事実婚とお金のこと④ ~ 夫婦間の契約取消権(民法754条)とは

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事実婚とお金のこと④ ~ 夫婦間の契約取消権(民法754条)とは
2024.02.09 ファイナンシャルプランニング

アミアカルヴァ株式会社 ファイナンシャルプランナーの竹原庸起子です。

前回からのシリーズ(事実婚とお金のこと①では、「事実婚・内縁と財産のこと」にスポットを当てております。

今回は「事実婚、内縁のご夫婦の契約取消権」についてお伝えしますね。

 

<法律上の夫婦とちがうことがある>

法律上の夫婦には民法第754条が適用されます。

これは「夫婦間の契約取消権」といい、法律では、「夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも夫婦の一方からこれを取り消すことができる。

ただし、第三者の権利を害することはできない。」とあります。 

 

これってどういうこと?! 

 

普通は、契約は詐欺や強迫でもないかぎり取り消すことはできません(もちろん未成年や認知症になっている方の場合は除きますよ)。

取り消したい場合は法的な手続きをおこなって争ったりしますよね。

でもこの取り消しできるうんぬんを、夫婦間に適用してしまうと、法律が家庭にはいることにもなりますし、

夫婦間の問題は夫婦間で解決すべきという裁判所の考えがあり、この法律の条文があるのです。

夫婦間ではいつでも契約を取り消せるようにして夫婦間で解決してよいということです。

(しかし夫婦が破綻していれば取り消しできません。)

 

そしてこの規定は事実婚にはあてはめるのかどうか?気になりませんか?

 

法律上の届出をしていないからといって、取り消しできないとなると、

「あ~やってしまったなあ」

という後悔してしまう契約を夫婦間でしてしまったこともありますよね。

たとえば物をあげるというような贈与契約などです。

 

判例などではこの法律は事実婚には適用しないとなっているのです。

つまり「取り消ししたくてもできないじゃないか!」ということになります。

 

ここは、法律上の婚姻と事実婚とでは取扱が違うところなので注意してください。

 

このようになっているのは、法律上の婚姻にくらべて保護が薄い配偶者を守るためだともいわれています。

いつでも取り消しできるとなると、相続権がない事実婚の配偶者の不安がさらに増すのです。

(相続権がない!?ということについては次回以降に詳しく)

 

では、事実婚の夫婦は婚姻後に贈与などの契約をするときは、どうしたらいいのか。

もしできれば公正証書などの書面できちんと約束しておいてください。

どのような書面を残したらいいのかなどは、ぜひともアミアカルヴァ株式会社のファイナンシャルプランナーに相談くださいね。

当グループには行政書士法人もございます。

このような書面を作成するプロです。

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