事実婚とお金のこと② ~ 事実婚契約書とは~前半

お電話でのお問い合わせは06-6991-8869

コラム

column

column

事実婚とお金のこと② ~ 事実婚契約書とは~前半
2024.01.24 ファイナンシャルプランニング

アミアカルヴァ株式会社 ファイナンシャルプランナーの竹原庸起子です。

前回からのシリーズでは、「事実婚・内縁と財産のこと」にスポットを当てております。

今回は「事実婚契約書」についてお伝えしますね。

 

 前回のコラム

「住民票の続柄に「妻(未届)」とすることにより、事実婚の証明になるとお伝えしましたが、

ほかに夫婦になるパートナー同士で口約束ではない証明が欲しいというご依頼もあります。

法律上の婚姻ではないので、お金の取り決めとしても書類に残しておきたいという思いそんなとき、

事実婚を始めるご夫婦にご提案するのが「事実婚契約書」なのです。

「婚前契約書」「婚姻契約書」ともいいます。

 

とお伝えしました。

 

これはお互いの意思を確認するための書類であり、正式な制度ではなりませんので、法的効力は弱いものですが、

法律上は夫婦ではなくとも、婚姻の意思をもって「事実婚」を選ぶカップルが、婚姻時に、

その後の婚姻期間中や万一別れるときのお金の取り決めをしておくことができます。

法律上の戸籍制度で保護されないからこそ必要な書類として、徐々に浸透しています。

 

<事実婚の場合のお互いの意思確認ができる契約書がある!>

まずは、アミアカルヴァ行政書士法人の行政書士、アミアカルヴァ株式会社のファイナンシャルプランナーが、

事実婚を考えているカップルからの依頼があった場合に、ひながたとしてお見せしている事実婚契約書を大公開します。

契約書の表題は「婚前契約書」「婚姻契約書」でもOKです。

 

この契約書の内容について詳しくみていきましょう。

 

この契約書の内容のうち「前文」「第1条」「第2条」は、この契約書を締結する事実婚夫婦が、

法律婚ではなくても夫婦として今後の人生を共に歩んでいくための意識付けの条文であるといえます

(「法律婚」とは戸籍上の届出を済ませた夫婦のことをいいます。)

「前文」には、「なぜこの契約書をのこすのか、おたがいの意思確認の文言」を入れます。

夫婦なので順調なときだけではなく苦境もともに乗り越えましょうという意思確認ですね。

 

「第1条(事実婚の成立と目的)」には、契約内容全部を夫婦が合意したことの確認文言です。

どのような契約書でも第1条に合意の文言を入れますので、形式的なものです。婚姻の届出をしないことの確認の意味もありますね。

 

「第2条(夫婦としての責任)」には、法律上の届出をしないけれども、夫も妻も、法律婚と同様に同居義務、

お互いの扶養義務、婚姻費用分担義務、貞操義務を負うのだと確認をします。

民法第752条に「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」とあり事実婚夫婦にも適用されます。

また民法第760条に婚姻費用分担義務の規定があり、これも事実婚夫婦に適用されます。

さらに民法第770条1項1号に定められた夫婦の貞操義務も事実婚夫婦に適用されます。

これらを第2条でお互い確認したことを証拠として残しておくのですね。

 

「第3条(生活費等について)」には、夫婦なのだから生活費もお互い協力して支出しましょうねという暗黙の了解のような内容が書かれてあります。

ただし、高額なものを買うときや借金をするときはお互いの生活に影響があるので話合おうねということですね。

 こう見ると、法律婚ではなくても、「夫婦」としてお互い思いやりともに歩んでいく気持ちがあれば事実婚は成立しますね。

pagetop