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事実婚とお金のこと⑤ ~ 事実婚夫婦には相続権がない!?
2024.03.11 ファイナンシャルプランニング
アミアカルヴァ株式会社 ファイナンシャルプランナーの竹原庸起子です。
前回からのシリーズでは、「事実婚・内縁と財産のこと」にスポットを当てております。
今回は「事実婚、内縁のご夫婦の相続権」についてお伝えしますね。
<事実婚夫婦はお互いに相続人になれない>
事実婚夫婦はお互いに法律上の相続人にはなれません。
Aさんの事実婚の妻Bさんは、Aさんが死亡したときに、妻として相続権はありません。
AさんにBさんとの間に子どもは一人だけいてAさんが民法上の認知をしていた場合(Cさん)、
Aさんの相続人はCさんだけであり、いくらBさんがCさんの親であってもBさんはAさんの相続人にはなれません。(※Aさんにほかに子どもがいない場合)
そして事実婚夫婦の間に生まれた子は、母の姓を名乗ることになりますので、CさんはBさんとおなじ姓(苗字)を名乗ります。
もし事実婚の夫婦がお互いに相続により財産をあげたい場合は、遺言書を残しておかなければなりませんね。
ところで、このように、法律婚夫婦には当然認められるけれども、事実婚夫婦には認められないもの(権利など)は相続権以外にもあります。
例えば、税法でいう「扶養」は、事実婚には認められません。
事実婚の妻は夫の税法上の扶養には入れず「配偶者控除」「配偶者特別控除」は認められません。
「税法上の」というのがポイントです。(この意味は、これから続くスタッフ日記でわかります(笑))。
また、事実婚の夫婦は相続人ではないので遺留分もありません。
相続税の配偶者控除(1億6000万円までは相続税がかからないという制度のこと)も認められません。
さらに、居住用財産の配偶者間贈与の非課税の特例についても、戸籍上の夫婦であることが条件ですから、事実婚には認められません。
このように、事実婚夫婦が将来の「相続」や「贈与」のことを考える場合は、
遺言書を残す、税金かかっても生前贈与を活用する、家族信託を活用するなど対策がいりますね。
プロに相談してくださいね。
では法律婚夫婦に当然に認められるもので、事実婚夫婦にも認められるもの(権利など)はあるのでしょうか?
次回に続く~~。