column
空き家と相続 第1話
2023.06.02 相続・遺言
家の所有者は10年前に他界。
そこに住み続けている長男。
転勤になったので売りたいなあ。
このままで売れる?~増え続ける空家の売却で気をつけること
アミアカルヴァ行政書士法人 代表行政書士 竹原庸起子です。
毎日のように、ご自身の万一のときの相続前の準備や、
相続が発生した場合の遺族からのご相談をお受けしているアミアカルヴァ行政書士法人です。
そんな多くの相談には、最近発生した相続のこともあれば、
何十年も前に相続が発生しているのですが、その手続きが残っているがどうしたらいいかという相談もあります。
そんななか増え続けている「もう住まない家、もうだれも住んでいない家」を売りたいのですという相談について
相談をお受けした時点から、弊社のサポートが終わった時までのストーリーをお伝えしますね。
近畿地方の山村に住んでいる30代の男性Aさんが、アミアカルヴァ行政書士法人へ相談にこられました。
Aさんは「私が住んでいる家、すぐに売りたいのですが、、、、」と開口一番おっしゃいました。
相談員は、あれ?相続の相談ではないのかな?という気持ちがよぎりましたが
お客様の話をしっかりと聞くのがアミアカルヴァ行政書士法人相談員のつとめ。
続いて聞くと
「実はその家、おじいちゃんの名前のままなんですよ。先日不動産屋さんにお願いして売りに出したのですが、
不動産屋さんいわく、売りには出せてもこのままでは売れません。
相続の手続きしてくださいとのことなんです。祖父の名義のままでは売れないんですか?」
そこで相談員はAさんに
「不動産の名義人が死亡した場合、その相続人名義に「相続登記」を済ませない限り売れません。
信託などの場合の例外はありますが。」
と答えました。
Aさんは、「ではその手続きしてください。お願いします」とのこと。
アミアカルヴァ行政書士法人が相続の手続きをサポートすることになりました。
(登記については協力先の司法書士がお手続きをいたします)
相談員はまずはなにから始めるのでしょうか。
実はその後、この案件、山あり谷ありでした。
<サポート①>法務局にある不動産登記事項を取得し名義の確認をする
アミアカルヴァ行政書士法人の相談員がサポートをするにあたり
まずは法務局にある不動産登記事項を確認することから始めます。
その家の「権利証」をAさんが持っていれば、その中に記載のある「不動産の表示」を確認して、
その表示とおりで法務局での登記事項を確認すればいいのですが、あいにくAさんの手元にはありませんでした。
相談員は、その家の住所を聞き取りました。
聞き取った住所から不動産の登記事項証明書(昔は登記簿という言い方をしました)で
この土地と建物の名義を法務局で確認することができます。
実際は、みなさんが住んでいる住居表示が実施されている「〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号」という住所で表示することが多いですが
登記事項証明書はその表示ではありません。「住居表示」が実施されている地域では
〇〇市〇〇町〇丁目●●番● のように登記事項証明書記載の所在と地番は、住所とは一致しないことが多いです。
そのため、まずは聞き取った住所の登記事項上の所在地は同じなのか違うのかを、
相談員は法務局へ電話で問い合わせました。
(不動産の所在地から管轄法務局が決まっていますので、その法務局へ電話で問い合わせします。)
すると、登記事項がとれる所在地を教えてくれました。
そしてその所在地の登記事項を確認しました。
相談員は登記情報提供サービス(http://www1.touki.or.jp/)で登記事項を確認しました。
(※事前の利用者登録が必要で、登記事項証明書とは違い、確認できるだけです。)
すると確かにAさんではない別人の名前が所有者として載ってました。
Aさんに聞くと、Aさんの父方の祖父であるとのこと。
これで不動産の名義がAさんの祖父であることは確認できましたが、
その次に相談員は何をどのように進めるのでしょうか。
続きは次回のお楽しみに。