〈投資初心者のためのやさしい資産運用シリーズ〉 第3回:投資信託の"キホンのキ"!基準価格・分配金・純資産総額をやさしく解説 ~用語を理解すれば、投資信託はもっと身近に感じられる~

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〈投資初心者のためのやさしい資産運用シリーズ〉 第3回:投資信託の"キホンのキ"!基準価格・分配金・純資産総額をやさしく解説 ~用語を理解すれば、投資信託はもっと身近に感じられる~
2025.09.21 ファイナンシャルプランニング

大阪府門真市のFP事務所as is代表ファイナンシャルプランナーの南真理です。

本シリーズ「投資初心者のためのやさしい資産運用シリーズ」では、第1回で【投資信託のメリットとデメリット】、第2回で【投資信託を続ける秘訣】についてご紹介しました。

 

投資信託は長期で資産形成を目指すうえで非常に有効な手段ですが、始めるにあたって聞きなれない用語が多く出てきます。

そのため、「よくわからないから難しそう」と感じ、資産運用を始めることをためらっている方も少なくありません。

しかし、こうした用語を理解することで、自分に合った投資信託を選ぶことができ、安心して長く続けることにつながります。

 

そこで本シリーズ第3回である今回は、投資信託を安心して続けるために欠かせない3つの数字――基準価格・分配金・純資産総額について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。これらを理解すれば、投資信託がぐっと身近に感じられるはずです。

 

―数字を知らないと不安が大きくなる

 

投資信託を購入すると、「基準価格」「分配金」「純資産総額」といった言葉に出会います。証券会社や銀行のサイトや新聞、ネット記事でも目にしますが、その意味が分からないままでは「値段が下がっているけれど、大丈夫?」「分配金が出ているけれど、本当にお得なの?」と不安ばかりが大きくなってしまいます。

 

逆に、それぞれの数字の意味を理解していれば、安心して状況を判断できるようになります。ここでは、その基本を一つ一つ見ていきましょう。

 

―投資信託の3つの基本用語

 

①    基準価格とは?

投資信託には取引を行う場合の単位があり、「口(くち)」と呼ばれます。基準価格とは「投資信託1口当たりの値段」のことを言います。投資家が投資信託を購入・換金する場合には基準価格で取引が行われます。株式の株価はリアルタイムで変動しますが、投資信託の基準価格は1日に1回、その投資信託が投資対象先としている株式や債券、為替などの時価評価をもとに計算されます。

 

また、基準価格は投資信託の取引を締め切った後で公表されます。そのため、投資家は当日の基準価格が分からない状況で投資信託の取引を行います(ブラインド方式)。なぜなら、基準価格が公表された後に、投資信託の取引ができると、既にその投資信託を保有している投資家の利益が阻害されるからです。

 

例えば、米国のS&P500を投資対象先とする投資信託があり、基準価格が「1万口=1万円」だったとします。翌日、米国の株式市場が好調で、投資信託の投資対象先の株価が上昇すれば、基準価格は1万200円になるかもしれません。逆に、米国市場が不調で株価が下落すれば、基準価格は9,800円に下がることもあります。

 

ご自身が投資している投資信託の基準価格が、どのような要因で値動きするのかは、購入時に必ず確認する「目論見書」に記載されています。投資信託は株価だけではなく、為替など複数の要因によって値動きする点を理解しておくことが大切です。

 

なお、基準価格は証券会社・銀行のホームページや新聞などで簡単に確認することができます。一般的に掲載されている基準価格は「1万口あたりの価格」となっています。

 

②    分配金とは?

分配金とは、投資信託が株式や債券などで投資して運用し、得られた利益の一部を、保有口数に応じて投資家に分配する仕組みです。聞くと「持っているだけでお金がもらえる」と思われがちですが、実は注意が必要です。

 

分配金は投資信託の信託財産から支払われます。そのため、分配金が支払われると、「純資産総額」や「基準価格」は下落します。例えば、基準価格1万円の投資信託が500円の分配金を支払った場合、基準価格は9,500円に下がります。つまり「分配金は受け取ったけれど、その分投資信託の価値が減った」ということです。

 

さらに、分配金の一部は利益ではなく、投資家から集めた元本を取り崩して支払われている場合(特別分配)があります。そのため「分配金が多い=良い投資信託」とは限りません。

 

大切なのは、分配金の原資がどこから出ているのかを確認することです。「分配金の多さ」を基準にするのではなく、「どのような投資対象に将来性を感じられるか」に注目して投資をすることが、長く安心して投資を続ける秘訣になります。

 

また、分配金の支払い頻度も、毎月支払われるものもあれば、年1回だけのものもあります。分配金の決算頻度は「目論見書」に記載されていますので、購入前に確認しておきましょう。

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③    純資産総額とは?

純資産総額とは、簡単に言えば、「その投資信託に集まっているお金の合計」です。この数字はファンドの「体力」や「人気度」を示す目安となり、投資信託を選ぶ際に、重要なポイントとなります。純資産総額は、投資家から集まった資金の増減や投資先資産の価格変動によって日々変わります。

 

私もお客様に「どの投資信託を選べばよいか」と相談いただいたときには、純資産総額について必ず説明します。なぜなら、純資産総額が小さい投資信託は、運用を続けられずに繰上げ償還(運用が途中で終了すること)となる可能性があるからです。

 

仮に、純資産総額が小規模な投資信託で投資家の解約が相次ぐと、資金が急激に減少し、運用を維持できなくなる可能性があります。その結果、ファンドが終了してしまい、投資家にはその時点の基準価格で資金が戻ります。もし、相場が下落している時期に運用停止となれば、損を抱えたまま解約せざるを得ないケースも出てきます。

 

このように、純資産総額の規模は、投資信託の安定性や信頼性を判断する上で大切な指標です。各金融機関のホームページにある基準価格一覧では、純資産総額が大きい順に並べて確認することもできます。投資信託を選ぶ際には、純資産総額の大きさもぜひチェックしてみてください。

 

―3つの数字を理解すると「投資が自分ごとになる」

 

これらの3つの数字を理解すると、投資信託の見方が大きく変わります。

 

基準価格が下がっていても「市場全体の一時的な動きだから、長期で見れば問題ない」と冷静に判断できます。分配金を受取った時も「これは利益から出ているのか、それとも元本を取り崩したものか?」と考えれるようになります。そして、純資産総額を見れば「この投資信託は長期的に安心して続けられそうかどうか」を判断する力が身につきます。

 

数字をただの専門用語としてではなく、「自分の資産の状態を映す指標」として理解できれば、投資信託がぐっと身近になり、不安よりも納得感をもって投資を続けられるようになるでしょう。

 

―数字を味方につけて投資を楽しもう

 

投資信託は、少額から始められる便利な資産運用の手段ですが、「なんとなく」で始めてしまうと長続きしないかもしれません。今回ご紹介した基準価格・分配金・純資産総額の3つは、投資信託を理解する上で欠かせない"キホンのキ"です。

 

これらを理解すれば、数字を見ても「怖い」「分からない」ではなく「なるほど」と思えるようになります。投資は難しいものではなく数字を味方につけることで安心して長く付き合える存在になります。ぜひ今回の内容を参考に、投資信託をもっと身近に感じながら、ご自身らしい資産運用を続けて頂ければ幸いです。

 

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筆者:南真理(ファイナンシャルプランナー)

〈プロフィール〉

17年間、大手信託銀行に勤務したのち、2022年FP事務所as isを設立。現在は商品を販売しないファイナンシャルプランナーとして活動している。主にはライフプランを作成し、資産運用の提案や家計改善のアドバイス、転職や起業したい方の経済面でのサポートなど、幅広く個人向けに相談業務を行っている。また、個人事業主向けの起業初期サポートや経理処理のサポートも行っている。相談いただいたお客様からは、丁寧で分かりやすい説明が大変好評をいただいている。また相談業務だけでなく複数のメディアでの執筆活動やセミナー・お金のお茶会を自主開催するなど幅広く活動している。

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