〈投資初心者のためのやさしい資産運用シリーズ〉 第1回:投資信託って何?メリット・デメリットを解説

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〈投資初心者のためのやさしい資産運用シリーズ〉 第1回:投資信託って何?メリット・デメリットを解説
2025.05.01 ファイナンシャルプランニング

 

大阪府門真市のFP事務所as is代表ファイナンシャルプランナーの南真理です。

 

2024年1月からNISA制度が刷新され、資産形成のために運用を始められた方も多いかもしれません。一方で、「興味はあるけれど難しそう」「どうやって始めたらいいのかわからない」「投資信託は何を選べばいい?」といった声もあり、なかなか一歩踏み出せずにいる方もいるのではないでしょうか。

 

日銀の金利引き上げにより、預金金利も上昇していますが、物価の上昇には追いついていないのが現状です。資産運用の方法を知ることは、家計の資産形成の助けになります。その中でも、投資初心者でも始めやすい投資信託について、回数を分けて解説していきます。1回目は、投資信託の基本とメリット・デメリットについてです。

 

そもそも投資信託とは?

 

投資信託とは、たくさんの人から集めたお金を一つにまとめて、投資のプロがそのお金を使って株や債券(債券とは簡単に言うと国や会社の借金のこと)などに投資をして増やそうとする仕組みのことです。そして、そのプロが、対象の株や債券に投資をして得た利益は、投資をした人たちが出した金額に応じて分け合います。また、どのようなものに投資をするかは、その投資信託ごとに決まっています。あらかじめ決まっている方針に沿って、プロが運用をしていくことになります。

 

投資信託の大きな特徴は「分散投資」ができる点にあります。分散投資とは、一つの商品を買うだけで、さまざまな企業の株や債券に投資することができることを言います。分散投資ができることで、価格の値動きを抑えながら資産を増やすことが期待できます。

 

投資信託のメリット

 

投資信託には、これから資産運用を始めたい人にとって魅力的なメリットがいくつかあります。

 

①    少額から投資できる

投資信託は少額から投資することができます。最近では100円や1,000円といった少額から購入できる場合やポイントで投資できるサービスもあります。一昔前は「投資はお金持ちがするもの」というイメージでしたが、現在は誰もが手軽に投資をすることができます。

 

②    運用を投資のプロに任せられる

投資信託に投資をした人から集めたお金は、ファンドマネージャーと呼ばれる金融のプロが市場を分析し、株式や債券などを組み合わせて運用してくれます。自分で個別の株などを選ぶ必要がなく初心者でも始めやすい仕組みとなっています。

 

③    分散投資することができる

投資信託は一つの商品で複数の企業や債券、国などに投資するため、価格の変動を抑えることができます。投資する地域や企業が偏ってしまうと、市場環境が悪化したときに価格の変動が大きくなる可能性があります。

 

例えば、世界の株式に投資するオール・カントリー(三菱UFJアセットマネジメント)という投資信託は、約2,500社に分散して投資されています(2025年3月)。また、約6割は米国の企業に、約4割は日本やヨーロッパなどの企業に分散投資されています。個人がこれだけの分散投資をすることは難しいですが、投資信託であれば一つの商品で実現することができるのです(※)。

※投資信託によって投資対象先等は異なるため投資をする前にしっかりと確認しましょう。

 

さらに、投資信託はNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった制度を活用することで、税制面でのメリットも得られます。NISAでは運用益が非課税になります。また、iDeCoは掛け金が全額所得控除、運用益が非課税、受取時も税制優遇があります。これらの制度は長期的な資産形成を後押ししてくれます。

 

このように、投資信託は少額から始められ、プロに任せられる安心感があり、税制優遇制度も活用できるという点で、誰でも無理なく取り組める資産運用の手段です。将来のお金を育てたいと考えている方にとって、選択肢の一つになるでしょう。

 

投資信託のデメリット

 

投資信託は手軽で便利な資産運用の方法にはなりますが、いくつか注意すべきデメリットもあります。

 

①    元本が保証されていない

投資である以上、価格が上下することがあり、運用結果によっては元本割れする可能性もあります。つまり、投資したお金が必ず戻ってくるとは限らないという意味です。株価や為替などの値動きによって、お金が増えることもあれば、減ってしまうこともあるということです。

 

②    手数料などの費用がかかる

投資信託は初期費用として購入時に手数料がかかるものがあります(※購入時手数料がかからない商品もあります)。私が信託銀行で投資信託を販売していた時は、約2~3%の手数料を頂くことが多かったです。つまり、100万円投資信託を購入したとすると、約2万円~3万円の販売手数料を100万円の中から頂戴していました(※販売手数料の徴収方法は銀行や証券会社によって異なります)。

 

また、投資信託にかかる費用は購入手数料だけではありません。保有期間中に毎日差し引かれる「信託報酬」という費用がかかっています。これは毎日、間接的に引かれている費用になります。購入する際には年間でどれくらいの信託報酬がかかるのかを販売用資料や目論見書(投資信託について詳しく説明されている書面)でチェックすることができます。長期で運用する場合、信託報酬の差は将来のリターンに大きな影響を与えることもあるため、事前にしっかり確認することが大切です。

 

また、売却するときに「信託財産留保額」がかかる投資信託もあります。購入を決める前に費用についてはしっかりと押さえておくようにしましょう。

 

③    自分で細かく投資先を選べない

さらに、投資信託はプロに運用を任せるため、自分で中身を細かくコントロールできないという面もあります。例えば、投資先の情報を把握せずに運用を任せきりにすると、思わぬリスクを抱えることもあります。運用報告書や目論見書などを定期的にチェックすることが重要です。運用報告書や目論見書はインターネットで簡単に検索することが可能です。

 

このように、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解し、自分に合った投資信託を選ぶことが、安心して資産運用を続けるコツになります。

 

次回は、投資信託販売歴17年、投資歴20年以上のファイナンシャルプランナーが、投資を続ける秘訣について解説します。ぜひご覧ください。

 

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筆者:南真理(ファイナンシャルプランナー)

〈プロフィール〉

17年間、大手信託銀行に勤務したのち、2022年FP事務所as isを設立。現在は商品を販売しないファイナンシャルプランナーとして活動している。主にはライフプランを作成し、資産運用の提案や家計改善のアドバイス、転職や起業したい方の経済面でのサポートなど、幅広く個人向けに相談業務を行っている。また、個人事業主向けの起業初期サポートや経理処理のサポートも行っている。相談いただいたお客様からは、丁寧で分かりやすい説明が大変好評をいただいている。また相談業務だけでなく複数のメディアでの執筆活動やセミナー・お金のお茶会を自主開催するなど幅広く活動している。

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