マイホームと老後優先で、子どもが大学入学時に家計がピンチ!バランスの取れた家計管理術とは?

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マイホームと老後優先で、子どもが大学入学時に家計がピンチ!バランスの取れた家計管理術とは?
2025.02.28 ファイナンシャルプランニング

大阪府門真市のFP事務所as is代表ファイナンシャルプランナーの南真理です。

自宅の購入、子どもにかかる教育費、老後資金は人生の三大支出と言われています。そして、働く女性が増えたことで晩婚化が進み、子どもが大学を入学するタイミングで退職を迎えるという方も多いかもしれません。今回は、あるご家庭を事例に、バランスの取れた家計管理をするため方法について解説していきます。

 

60代で子どもが大学入学、家計収支が赤字に

 

まずは、Aさん夫婦の事例を紹介します。

 

〈プロフィール〉

Aさん:会社員。48歳

妻:無職。45歳 

長女:7歳(小学校1年生)

長男:4歳(年中)

 

Aさんの妻は、パートで収入を得ていたのですが、事情により一旦退職されたとのこと。そのため、家計の収入がAさんのみの状況です。Aさん夫婦の長女が大学を入学するまでの11年間は、平均所得額(社会保険料や税金を差し引いた手取り額)が、1年当たり約430万円です。それに対して、家計の11年間の平均支出額は年1年当たり470万円です。つまり家計収支が、毎年約40万円の赤字となります。Aさん夫婦の貯金額は400万円あります。約10年後の長女大学入学時に家計が赤字に転じるということがわかりました。このままでは子どもの進路に影響します。

 

Aさんは複数の個人年金保険を契約しています。個人年金保険とは、将来の年金を準備するための保険です。一定期間、保険料を支払い、契約で決められた年齢になると年金として受け取ることができます。数年前に、独身時代から契約していた複数の保険を見直ししたときに、老後の不安から個人年金保険を複数契約されたとのこと。こちらの保険料の支払いが年36万円(月3万円)となり、老後の不安解消にために契約されたものの子どもの大学入学時に家計収支がマイナスになる理由の一つです。

 

また、Aさん夫婦は4年前に自宅を購入し、35年の住宅ローンを契約しており、Aさん79歳時に完済となります。

 

では、Aさんの家計が赤字にならないようにするためには一体どうすればいいのでしょうか。

 

家計に入るお金を増やす

 

家計の赤字を改善するためには、支出の見直しも必要ですが、収入を増やすことが大変重要です。特に固定費(毎月ほぼ一定の金額がかかる支出のこと。住居費や通信費等)の削減や節約には限界があります。私も様々な家計のライフプランを作成していますが、できる範囲で家計に入るお金を増やすことが一番の家計改善だと感じています。Aさんの妻も、いったん事情があって、今は仕事をしていませんが、例えば月10万円の収入がることで年間の家計収支は黒字になります。

 

また、収入を計画的に管理し、赤字を補填するだけでなく貯蓄や資産形成に活用することで、教育費や住宅ローンの返済、老後資金への不安解消に繋がります。家計改善のためには支出を減らすだけでなく、収入を増やすといった両面からのアプローチを意識し、継続的に家計管理を見直していくことが重要です。

 

月3万円の保険を新NISAで運用

 

Aさん夫婦は、毎月3万円の個人年金保険を契約しています。老後の備えるには安心なのですが、約10年後家計収支が赤字に転じるのであれば、保険ではなくNISAを活用した積立投資に見直しをするのも一つです。

 

個人年金保険は、満期が決まっており満期までは使わないようにお金のカギをかけておくメリットはあるのですが、中途解約すると解約控除が引かれるものも多く、払い込んだ保険料を下回ってしまう場合があります。

 

それに対して新NISAを活用した積立投資は満期もなくいつでも解約することができます。それに加えて増える可能性があります。仮に、年利5%で月3万円積立投資した場合、10年間の投資額360万円に対して460万円の運用実績となり、プラス106万円となります。但し、NISAでの運用はリスクを伴い元本が下回る可能性もありますので、きちんと理解した上で始めることをオススメします。

 

ライフプランで長期的な家計管理を

 

家計の赤字を根本から解決するために、ライフプランを作成し、長期的な視野で家計管理をするといいでしょう。ライフプランとは、人生の大きなイベント(結婚、出産、教育費、住宅購入、老後など)にかかる費用を把握し、将来の収支をシミュレーションすることです。ライフプランを立てることで、将来の大きな支出を見据え、無理のない返済計画を立てることができます。

 

以下、家計改善のポイントになります。

①    現状の家計を把握する(収支のバランスを確認)

②    ライフイベントごとの支出を把握する

③    固定費を見直し、支出を最適化する(教育・住宅・老後)

④    収入を増やす工夫をする

⑤    貯蓄と投資で将来の資産形成をする

 

短期的な節約だけでなく将来の支出を計画的に管理することが大切です。ライフプランを活用し、無理のない範囲で収支を改善しましょう。

 

将来的に家計が赤字になることを防ぐために今からできること

 

結婚年齢が上昇している現代では、Aさん夫婦のように老後を迎えても教育費や住宅ローンの返済が続く家計が増えています。60歳代で子どもが大学に入学する場合、教育費の負担が重くのしかかり、家計が赤字になる可能性があります。さらに、退職後にローンの返済が残っていると、年金だけでは生活が成り立たず貯蓄を切り崩すことになりかねません。こうした状況を防ぐためには、現役世代のうちから計画的な資産形成と家計管理を行うことが重要です。

 

働けるうちはしっかり収入を確保することは大切です。定年後の収入源に備え、現役時代の収入を最大化し、できるだけ貯蓄や投資に回すことで、将来の家計の安定に繋がります。仮に、60歳代以降も教育費の負担が続く家計では、定年後も働くことができる環境を整えておくことが赤字回避のカギになります。

 

また、ライフプランを作成し、長期的な視点で家計を見直すことも欠かせません。将来の大きな支出を予測することで、計画的な資産形成をすることができ、急な支出にも対応できます。

 

将来の赤字を防ぐためには、「収入を増やすこと」「計画的に支出を管理すること」「資産形成を進めること」この3つのポイントを意識しましょう。将来の安心のために今からできる対策を始めましょう。

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