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よく聞かれます~建設業許可の「軽微な建設工事」とは?
2023.08.21 許認可
アミアカルヴァ行政書士法人のスタッフです。
今回は建設業の許可についてのお話しです。
建設業法では、下記のように「軽微な建設工事」のみを請け負う場合、許可は必要ないという例外規定がございます。
建設業法 第三条(抜粋)
建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、~(略)~ 許可を受けなければならない。
ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
この「軽微な建設工事」については建設業法施行令で詳細が規定されております。
建設業法施行令 第一条の二(抜粋)
法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が500万円
(当該建設工事が建築一式工事である場合にあっては、1,500万円)に満たない工事または建築一式工事のうち
延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。
また、この500万円という基準の金額については、建設業許可事務ガイドライン(国土交通省が定める取扱規程)の中で、下記のように規定されております。
建設業許可事務ガイドライン(抜粋)
法令及び規則の規定中、「請負代金の額」その他の個々の取引に係る請負代金に係る用語は、当該取引に係る消費税及び地方消費税の額を含むものとする。
以上のことから、建設業許可が必要ではない軽微な工事は税込金額で500万円未満、ということになります。
注意しなければならないのはあくまで「税込金額」なので、税抜金額では約455万円となることです。
また、税込で500万円ということは、消費税の税率が変われば税抜金額が変わってまいります。
消費税が8%の頃なら税抜金額は約463万円、5%の頃だと税抜金額は約476万円でした。
今後もし消費税の税率が上がることがあれば、税抜金額はさらに下がることになります。
「500万円未満」という数字だけ広まっているようなところがありますが、実際には消費税を考慮すると基準額は500万円より低いので要注意です。
また、建設業法施行令には下記のような規定もございます。
建設業法施行令 第一条の二(抜粋)
2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。
ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。
3 注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。
2の項目は、500万円未満になるように、正当な理由がなく分割発注で金額を細かくしたとしても、合算でカウントするというものです。
3の項目は、元請などから材料を支給されており、いわゆる手間賃・作業代・人工代といった名目の人件費だけで工事を請けた場合であっても、
材料代を上乗せして工事代金をカウントするというものです。
こうした規定については「請負金額が500万円未満」という話に比べて知られていないところがございますので、
大丈夫と思っていても実際には500万円を上回ってしまう事例があるかもしれません。
現在行っている事業に建設業許可が必要なのかどうか、判断に迷うことなどございましたら、弊社までお気軽にご相談いただければと存じます。