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〈投資初心者のためのやさしい資産運用シリーズ〉第5回:なぜ積立投資は長く続けた人ほど成果が出やすいのか
2026.04.10 ファイナンシャルプランニング
~相場に振り回されない、時間を味方につける資産運用術をFPが伝授します~
大阪府門真市にあるFP事務所as isの代表ファイナンシャルプランナーの南真理です。
これまでの連載では、投資信託の基本的な仕組みやメリット・デメリット、投資を続けるための考え方、そして自分に合った投資信託の選び方について解説してきました。
一方で、知識として理解していても、実際に投資を続けるとなると、迷いや不安が生じるのが現実です。その解決策として、積立投資という投資手法があります。今回は、積立投資を続けるうえで大切な考え方と、日々の実践ポイントを分かりやすく整理していきます。
―積立投資の考え方を整理する
積立投資とは、一定のタイミングで、一定額を投資し続ける方法です。価格が高いときには少なく、安いときには多く購入することになり、結果として購入価格が平均化されやすくなります。これを「ドルコスト平均法」と言います。
一括でまとめて投資する方法と比べると、積立投資は短期間で大きな利益を狙うものではありません。その代わり、価格変動のある市場と無理なく付き合いながら、長期的な資産形成を目指せる点が特徴です。特に、投資経験の浅い方にとっては、相場のタイミングを読む必要がないという点が大きなメリットになります。
―実践①積立金額の決め方が成果を左右する
積立投資の効果を高めるうえで、最初に考えるべきなのが積立金額です。よくある失敗として、「できるだけ早く増やしたい」と無理な金額を設定してしまうケースがあります。積立投資で重要なのは、金額の大きさよりも「続けられるかどうか」です。生活費や近い将来使う予定のお金を投資に回してしまうと、相場が下がった時に冷静な判断ができなくなります。
ライフプランを作成して、将来のお金の使い道を整理しておくと、無理のない積立額を考えやすくなります。ライフプランとは、今後の収入や支出、結婚・住宅購入・教育・老後といったライフイベントを時系列で整理し、将来のお金の流れを見える化したものです。実際にも、ライフプランを作成したのち、家計に無理のない投資額を確認した上で、NISAを活用した積立投資をスタートされたお客様も多くいらっしゃいます。
自分や家族の将来を見据えたうえで金額を決めることで、安心して積み立てを続けることができます。まずは家計に負担をかけない範囲で始め、余裕が出てきたら増額する。この考え方が、積立投資を長く続けるコツです。
―実践②積立投資は「仕組み化」がカギ
積立投資を成功に近づけるもう一つのポイントは、「投資を仕組み化すること」です。例えば、毎月1日に3万円といったように積立設定し、自動積み立てとなるようにして、相場の動きに合わせて判断しない環境を作ることが大切です。
人は、価格が下がると不安になって売却するといった行動を取り、価格が上がると安心して、さらに投資したくなります。しかし、こうした感情に基づく行動は、長期投資においては足を引っ張ることが少なくありません。積立投資は、「考えない投資」を実践することで、相場によって感情が左右されにくくなります。
―実践③時間を味方につけるという考え方
積立投資の最大の武器は、「時間」です。数カ月や1年といった短い期間で評価額を見てしまうと、どうしても価格の上下が気になります。しかし、市場は常に右肩上がりで動くわけではなく、上がったり下がったりを繰り返します。
積立投資では、短期の値動きを気にしすぎず、時間とともに影響を和らげていきます。投資期間が長くなるほど、一時的な下落の影響は小さくなり、積立の効果が表れやすくなります。「今いくら増えているか」よりも、「続けられるか」に目を向けることが、時間を味方につける第一歩です。
―積立投資でも気を付けたいことがある~留意点について
これまで積立投資のメリットについて解説しましたが、積立投資は万能ではありません。元本割れの可能性はありますし、どの投資信託を選ぶかによって結果は大きく変わります。
実際に、2025年4月には、米国のトランプ大統領の相互関税発表を受けて、市場の先行きに不透明感が強まり、日米の株価が大きく下落する場面がありました。2024年1月からスタートした新NISA制度をきっかけに積立投資を始めた方の中には、保有している投資信託の評価額がマイナスになっているのを目にし、不安を感じた方もいらっしゃるでしょう。
このような局面があるからこそ、積立投資は「放置しすぎない」姿勢も大切です。完全に何もしないのではなく、半年から1年に一度程度でもよいので、運用状況を確認し、当初の目的とずれていないかを見直すことが必要です。ただし、相場の動きに一喜一憂して頻繁に売買をしたり、積立額や投資先を何度も変更したりすると、かえって積立投資の良さを損なう可能性があるため注意が必要です。
まとめ―時間を味方につける積立投資
積立投資の効果を最大化するコツは、
・無理のない金額で
・仕組みを活用し
・時間に働いてもらう
ことに集約されます。
特別な知識や相場観がなくても、実践できるのが積立投資の強みです。積立投資という方法を上手に活用することで、資産運用はより身近で現実的なものになります。焦らず、比べず、時間を味方につける―――。これが、長く続く資産運用への近道です。
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筆者:南真理(ファイナンシャルプランナー)
〈プロフィール〉
17年間、大手信託銀行に勤務したのち、2022年FP事務所as isを設立。現在は商品を販売しないファイナンシャルプランナーとして活動している。主にはライフプランを作成し、資産運用の提案や家計改善のアドバイス、転職や起業したい方の経済面でのサポートなど、幅広く個人向けに相談業務を行っている。また、個人事業主向けの起業初期サポートや経理処理のサポートも行っている。相談いただいたお客様からは、丁寧で分かりやすい説明が大変好評をいただいている。また相談業務だけでなく複数のメディアでの執筆活動やセミナー・お金のお茶会を自主開催するなど幅広く活動している。

